命日反応

 年末年始は、6年前は大腸がんの検査で落ち込み、その後は愛犬、父親の死と落ち込みの季節で、まったく駄目であった。で、あっという間に2月になったが気分はあまり上がらない。母親の命日が2月12日で、この季節感や寒さ、そして風が辛い思い出を呼び起こしているのだと思う。

 エンゲルという精神科医が双子の兄の命日前日に失神発作を起こし命日反応というものを定義したが、意識をしていない時にこそ命日反応は生ずる。抑圧された辛い記憶が心身に影響するのである。遙か昔の学生時代、今から思えば母親転移を抱いていた人がいた。

 その10年後、良く聞いた曲がダンフォーゲルバーグの懐かしき恋人達の歌である。この訳詩は上手に訳してくれている。彼もがんで逝ってしまった。


藤村邦&渡辺俊之の日々

精神科医をやりながら、小説など書いている藤村邦(本名渡辺俊之)のブログです。

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